ご予約・お問い合わせ

診療時間は曜日によって異なります。

ご予約・お問い合わせはこちら

096-379-1717

診療時間は曜日によって異なります。

虫歯のメカニズム

2003年10月5日|

バイオフィルムとは?

歯の表面は常に唾液で覆われています。そして唾液が歯の表面に触れている限り虫歯にはなりません。唾液にはさまざまな作用がありますが、その1つが清浄作用です。口の中の細菌や食べ物のかすを洗い流してくれるのです。
ところが、ミュータンス菌が口の中にいると、砂糖という「えさ」を得て、唾液をさえぎる膜のようなものを歯の表面に作ってしまいます。そのため、唾液の働きが行き届かなくなり、虫歯が作られていくのです。
具体的に言いますと、ミュータンス菌が分泌するグルコシルトランスフェラーゼ(GTF)という酵素が、砂糖をネバネバした「グルカン」という多糖体に変え、歯の表面にべったり張り付きます。歯の表面はエナメル質の名のとおりつるつるしているように思われていますが、本当は表面に細かく溝があってザラザラしています。そのでこぼこ面にグルカンはしっかり入り込んで、張り付いてしまいます。しかも水には溶けません。
その中でミュータンス菌は生き続けます。そして次第に歯の表面に分厚い膜を作っていきます。この膜を「バイオフィルム」といいます。

歯の表面にバイオフィルムができてしまうと、歯のエナメル質が唾液にふれることができなくなり、唾液による清浄作用がきかなくなり、内側は細菌が繁殖しやすい環境になります。
ミュータンス菌は、バイオフィルムの中で、食べ物などから糖分を吸収して、自分が生きていくためのエネルギーを作り出します。この過程を「発酵」といい、糖は最終的に乳酸や酢酸、エタノールにまで分解され、外に放出されます。ところがバイオフィルムが育ってくると、できた酸(最も多いのは乳酸)は外に放出されずに、バイオフィルムの中に残り、歯のエナメル質をとかしはじめます。歯磨きなどによって早くバイオフィルムを取り除くことができれば、傷ついたエナメル質を再び石灰化して修復することができるのですが、酸性状態が続くと、エナメル質の破壊は進行し、虫歯へと向かっていきます。
エナメル質の破壊は狭い範囲で深く進みますが、比較的柔らかくおかされやすい象牙質にまで達すると奥に広い穴が作られるようになります。こうじて虫歯の穴が大きくなると、熱いものや冷たいもの、また甘いもの、すっぱいものの刺激によって歯髄(歯の中心にあって神経の集まっている部分)が充血し痛みを伴うようになります。たいていの人がそろそろ歯医者さんに行かなくちゃと考えるころです。

さらに象牙質にある象牙細管を通って歯髄に細菌が感染し、炎症を起こすと歯髄炎になります。この段階になると、今まで一時的に歯がしみたり、食べものがはさまると痛みを感じていたのが、突如猛烈に痛み出し、まわりの歯がすべて悪くなったように感じられたりします。一度でもこういう経験をした人は、もう2度とごめんだと思うようです。