顎関節症とは?

あごが痛む・あごが開かない・あごが鳴るなど顎関節症の症状がある場合には、いろいろな原因が考えられるため、問診・触診・レントゲン検査・模型作りなどをして念入りに検査をする必要があります。

治療にはお薬を使用したり、あごの関節の負担を軽くするための装置をお口の中に入れたりします。

  • I型

    顎関節症のI型は、主にあごの筋肉(咬筋や側頭筋など)の「過度な使用」による「筋肉痛」によって引き起こされます。咬筋は頬に、側頭筋はこめかみに痛みを感じさせるため、こめかみの痛みが「頭痛」として認識されることもあります。この症状は、筋肉のマッサージやあごを休めることで改善されます。

  • II型

    顎関節症のII型は、関節靭帯の異常によるもので、簡単に言えば「あごの捻挫」に相当します。この状態は、無理に口を大きく開けたり、固い食べ物を噛んだり、歯ぎしりや食いしばりなどが原因で発生します。顎関節は耳の穴のすぐ前に位置しているため、症状が「耳の痛み」として感じられ、耳鼻咽喉科を受診される方もいます。治療には、あくびを控える、固い食べ物を避ける、食事を小さく切ってあまり大きく口を開けなくて済むようにするなど、あごをできるだけ安静に保つことが重要です。

  • III型

    顎関節症のIII型は、関節円板の異常によるものです。関節円板は、上あごの骨と下あごの骨の間にあり、クッションのような役割を果たす組織です。このタイプの顎関節症では、関節円板がずれているため、口を開けると「カクカク」や「ポキポキ」といった音が鳴ることがあります。この「関節雑音」のみが症状である場合、特に治療は必要ありません。しかし、関節円板のずれが進行すると、音が消え「開口障害」が生じることがあります。このような場合には、一般的にマウスピース治療を行いますが、歯学部付属病院の顎関節専門外来でより専門的な治療を受けることがあります。

  • IV型

    顎関節症のIV型は、下顎骨の関節突起が変形することによって生じます。このタイプは、症状だけで診断するのが難しいため、まずは患者様のあごのレントゲンを撮影し、骨の変形があるかどうかを確認することから診断が始まります。変形した骨を元の状態に戻すことは難しいため、治療の目標は「痛みを軽減」し「口を十分に開けられるようにする」ことです。これを達成するために、マウスピース治療や開口訓練が行われます。

スプリント療法

素材は半透明のアクリル樹脂を使用し、患者様一人一人の歯型にあわせて個別に成型します。治療期間中は、顎位の移動の確認や、各症状の改善・緩和のチェックなどを定期的に行います。スプリント(装置)は自由に取りはずしが可能ですので、お好きな時間(例えば、自宅でくつろいでいる時や就寝前、通勤・通学時など)で簡単にご利用ができます。

  • 01

    歯の型をとり
    模型を作ります

  • 02

    次回来院時までに
    スプリントを作製

  • 03

    出来上がったものを装着・調整

  • 04

    しばらく使った後
    再度調整します
    使用感・噛み合わせチェック

関節腔内洗浄療法

炎症がひどいときは、注射を用いて関節の中を洗浄します。